

こんにちは、メロンです。
人には忘れられない思い出というものがあります。
普通の人なら笑って終わるような出来事でも、なぜか何十年経っても覚えている。
今日はそんな話を一つ書いてみようと思います。
あれは中学生の頃だったでしょうか。
教室の模様替えの日でした。
机や棚を移動し、教室のレイアウトを変更する作業です。
男子達は力仕事に張り切り、重い棚や机を次々と運んでいきます。
しかし私は昔から体が細く、力もありませんでした。

今でも168センチ48キロですが、当時もかなり痩せていました。
160センチで40キロ届かなかったかと思います。
運動も苦手。
当然ながら力仕事も得意ではありません。
それでも男です。
周囲には同級生もいます。
「重いので無理です」
などとは言えません。
そこで私も重い棚を持ち上げようとしました。
ところが全然持ち上がりません。
少し浮く程度です。
腕に力を入れても動かない。
何度か挑戦しましたが結果は同じ。
正直かなり焦りました。
そんな時でした。
クラスでも運動神経が良く、活発な女子がこちらにやって来たのです。
「大丈夫?」
そう声を掛けられました。
私は反射的に、
「大丈夫」
と答えました。
男の見栄です。
しかし実際は全く大丈夫ではありません。
棚は重い。
腕は疲れている。
どうしようもありません。
すると彼女は、
「じゃあ一緒に持つよ」
と言って棚の反対側を掴みました。
そして驚くほどあっさり持ち上げたのです。
私は慌てて自分も力を入れます。
しかし実際には、ほとんど彼女が持っていたようなものでした。
私は補助程度。
情けない話ですが、本当にそんな感じでした。
無事に棚を運び終えた後、
彼女は何事も無かったかのように別の作業へ向かいました。
しかし私は違います。
妙にその出来事が頭から離れませんでした。
助かった。
ありがたかった。
でも恥ずかしい。
そんな気持ちです。
女子に助けられること自体は嫌ではありません。
むしろ優しくされるのは嬉しい。
しかし、それを男子達に見られている状況が苦手でした。
他の男子の前で、
「お前より女子の方が力があるじゃないか」
と証明されたような気がしたのです。
もちろん誰もそんな事は言っていません。
ただ勝手にそう感じてしまう。
今振り返ると不思議なものです。
そして、こういう小さな出来事こそが、後の自分に大きな影響を与えている気がします。
綱引きで女子に負けたこと。
空手で女子にやられたこと。
腕力で敵わなかったこと。
そして今回のように女子に助けられたこと。
どれも大事件ではありません。
しかし私にとっては強烈に印象に残っています。
普通の人なら忘れてしまうような出来事でも、何十年も覚えている。
だからこそ、今こうして文章にできるのでしょう。
思い返してみると、あの日の教室の風景まで何となく覚えています。
それだけ印象的だったのです。
今では笑い話ですが、当時の私にとってはなかなか屈辱的な一日でした。
ですが、その恥ずかしさも含めて、今では良い思い出なのかもしれません。